眼窩脂肪ヘルニアとは
本来は眼球の奥にあるはずの脂肪組織が、眼の前の方に出てきてしまっている状態です。加齢が原因であることが多いです。黄色の柔らかそうな腫瘤性の病変が、結膜の向こう側に透けて見えます。両側性に眼の耳上側に生じることが多いです。時間の経過と共に奥から脱出してくる脂肪の量が増えるため、徐々に腫瘤性の病変は大きくなります。腫瘤性病変による違和感がある場合や、見た目が気になるような場合には手術適応となります。
眼窩脂肪ヘルニアの手術
手術により脂肪組織を除去する治療を行います。
点眼麻酔(目薬の麻酔)と結膜下麻酔(白目部分への麻酔)を行なった後に、結膜(白目)の一部を切ることで、脂肪組織を露出させます。眼の奥の空間(眼窩)から脂肪組織を引っ張り出し、適量を切除摘出します。傷口を縫合して終了となります。
手術の合併症
- 違和感:結膜を切ったこと、縫合した糸により、手術後はゴロゴロします。数日~1週間程度でだんだん症状は改善します。
- 縫合糸外れ:手術後に縫った糸が緩んで外れてしまうことがあります。場合により、縫合を追加することがあります。
- 結膜下出血・充血:結膜には血管があります。結膜を切ることに伴い出血します。手術後は白目が赤くなりますが、1~2週間でだんだん淡くなり消えていきます。軽い充血は数か月続く場合がありますが、徐々に薄くなります。